今回もTVを見てのお話です。
ヴァイオリニストの若林暢(わかばやしのぶ)さんって、ご存知ですか?
私は、正直まったく知りませんでした。
いくらクラシックに疎いとはいえ、経歴のスゴイ方です。
なぜ、知らなかったんだろう。。。と思います。
先日、NHK朝のニュースで紹介されていました。
【魂のヴァイオリニスト】
その言葉に魅かれて、ついつい見入ってしまいました。
それがこちらです↓
知らなかった。。。
そんなすごいヴァイオリニストが同世代で存在していたことを。。。
その演奏を、とても聴いてみたくなりました。
放送で紹介していたCDをアマゾンで調べてみると。。。
ありました。
この2つ!
生前の若林さんの、貴重な音源だそうです。
このヴァイオリン愛奏曲集の中の<チャルダーシュ>
これが一番聴きたい‼
フィギュアスケートの浅田真央ちゃんが、演技の中で使っていた曲として有名になった曲ではないでしょうか。
心の琴線に触れるようなドラマチックなこの曲を、魂のヴァイオリニストと呼ばれる若林暢さんが弾くと。。。。どんな感じになるのでしょう?
生前の最後の演奏というものを、番組の中で聴かせていただきましたが、その人生の話を聞いてから耳を傾けると、心がうずきふるえます。
人生という有限の時を刻む痛みにあがらうような。。
手のひらからこぼれおちていく時という砂を止められないもどかしさを、どこまでも慈しんでいるような。。。
ひとつの音すべてに自身のすべてをのせているような。。。
ヴァイオリンを弾くその姿は、なんというか崇高感じで、
<生きている今を、ただ懸命に大切に過ごしなさい>と諭されるような気がしました。
若林さんの過ごしてきたであろう、その人生の時間に想いを馳せながら聴けばと、グッと深く引き込まれる。。。そんな演奏集だと思います。
頼もう!そう思いました。
番組の中で、お弟子さんの方が話していた言葉が胸に刺さります。
バイオリニスト 根来由実さん
「『音楽は悲しみから生まれた』というのは、独り言のように言っていた。
すごくつらいとき、悲しいときに、人間はばく大なエネルギーを生む。
そうやって絞り出したものに、本当の美しさがつまっていることがある。」
(2017/8/28、NHK総合朝のニュースより引用)
ジュリアード音楽院の博士課程で書いたという論文が、一冊の本として出版されています。
こちらも、真摯にヴァイオリンの演奏にただただ向き合っていた若林さんの人柄と、作曲家の気持ちを汲み取ろうと向き合う人柄を感じ取ることが出来るかもしれませんね。
沢山の賞や栄誉を持ちながらそういった事にはとらわれず、事務所にも属さず、ただ演奏を極めるよう挑み続けたという若林暢さん。
離婚や御両親の介護、御自身の病気と、晩年は苦労の連続だったそうです。
58歳はあまりに若すぎると、惜しまれます。
しかし、ただ一途にヴァイオリンの演奏と向き合い続けた、崇高とも言えるその音楽人生は、もしかしたら、そこまで打ち込めるものを持てた実り多いものだったのではないでしょうか。
暑さの和らぐ晩夏の夜に、静かにこの演奏を聴いてみたいと思います。
熱い、たっぷりのコーヒーを飲みながら。。。