この本は、灘中学で国語教師をされていた橋本武先生が行っていた奇跡の授業(と言われているそうです)について、事業を受けられた生徒さん達のインタビューを交えながら、その内容と影響などが詳しく書かれているとても心にひびく一冊です。
「教科書をいっさい使わず、一冊の薄い文庫本を3年かけて読むという、おそらく世界でも類を見ない<奇跡の授業>‥‥」(伊藤氏貴著「奇跡の教室」より引用)と、書かれています。
そんな授業があるものなのかなぁ!と、興味しんしんで読みました。
その薄い文庫本は、中 勘助さんの「銀の匙(ぎんのさじ)」という本。-はじめに-から-あとがき-までいれて250ページほど。3年間でこれ一冊??と思ってしまいました。
状況をつかむためと興味から、銀の匙を読む前に奇跡の教室のほうから読みました。
感想を一言で言うと、
「私も受けたかった、この授業!!」
です。
一冊の本を、こんなにもじっくりと時間をかけて、更に楽しみながら、先生と生徒たちで、その時間のすべてを共有して小説の内容を追体験していく!
まず、教科書を使わなくていいという発想が無かったので、衝撃を受けました。
文庫一冊で3年間?‥でまた衝撃を。
。。。と、常識というか思い込みを覆されるような内容に、自分の頭の固さを思い知らされました。もう少し、柔軟だと思っていたのに。
この授業を受けた生徒さんたちは、この本の内容を忘れることは無いだろうと思う傍ら、自分は学生時代に国語の授業でやった内容をひとつも憶えていないことに、ひどく落胆しました。
そういえば、国語ではないけれど、地理の先生が毎時間はじめにやっていた<新聞ノート>の時間だけは覚えてるなぁ‥と、ぼんやり思い出しました。
新聞の内容をあらかじめまとめておいて、授業のはじめにその新聞の内容について話をする!というのでしたが。
それはなぜか楽しかったのを憶えています。
授業なのに授業では無いような気がしていたからかもしれません。
<楽しい>と思える学びの時間が、学ぶ人の能力を伸ばしていくのでしょうね。
この一冊に会う飲みものは‥
学生時代、好きだった飲みものはなんだったかな?
きっと、学生時代に好きだった飲み物を思い出して、それを飲みながら読むと更に楽しんで読めると思います。