ずいぶん前に買って、ごくたまに読み返す本です。
だいぶ汚れて黄ばんでしまった薄いこの本には、ショウペンハウエルという人の読書感が、的確に鋭くかなり簡潔に(本が薄いので?)書かれています。
読むのはごくたまにでも、その読書感に、ついつい気になる本を次々に読むその行為を立ち止まらせてくれる大切な一冊です。
たとえば、
数量が多くても整理がついていなければ蔵書の効用はおぼつかなく、数量は乏しくても完璧に整理された蔵書であれば優れた効果を収める。‥‥
とか、
読書は他人にものを考えてもらうことである。‥‥
(ショウペンハウエル著「読書について」より引用)
などなど、
その通りでございます。。。
と、心の中でつぶやき苦笑いになりながら読み返しています。
読み返しても、そして整理を始めてもまた増えてしまうのでなんと言っていいか。。
ショウペンハウエル(1788-1860)は19世紀前後の人なので、2世紀近く前の人から乱雑な多読をたしなめられている事になりますね。
情けないです。
こんな時、人類は進化しているはずなのに、人の一生というスパンでみると何ら変わっていないのかなと思ってしまいます。
先人の言葉は深いですね。
- 作者: ショウペンハウエル,Arthur Schopenhauer,斎藤忍随
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/07
- メディア: 文庫
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確かに自分で考えるより、他の人の書いたものを読むという行為のほうが楽だと思います。自分で考え、考えを整理しまとめていくことは、かなりの精神的な労力です。
そこから逃げるために読書をしている部分もあるな!
と、痛い部分を突かれた気分ですね。苦笑
なぜ、本を読むのか?
なぜ、今その本を読みたいのでしょう?
いろいろな理由から読書が始まり、読書の後の思索を重ね、考えを整理出来てその読書が終わるものかもしれません。
最近の私は、興味のままに多くの本を読み‥‥で、終わっていたのかな。
また今回も、立ち止まらせてもらいました。
考えを整理するところまで、あわてず続けるように、ちょっとスローダウンしますね。