ずいぶん前に読んだヘッセの<シッダールタ>という文庫本の中に、こんな言葉が書いてありました。
<知識は言葉で伝えるとこが出来るけれども、知恵は言葉では伝えることが出来ない>
悟りを得たシッダールタに弟子のアーナンダが、どうしたら悟りを得られるのか聞いたことに、シッダールタが答えた内容です。
今も、私の思考の土台になっている言葉です。
50代にもなると、読んだ本もそれなりに沢山になります。
自分の基準でそう思うだけなんで、実際に何冊読んだかは全くわかりませんすが…。
タイトルや内容を忘れてしまう本がほとんどな中でも、忘れられない文章や内容の本がいくつか、わずかですがあります。
その中の一冊がこの本です。
内容の大半は忘れて大まかにしか覚えていないんですが、冒頭の言葉だけは、頭の片隅にいつもあります。
ともすれば、知識に偏りすぎて頭でっかちになっている自分を、自分で戒めている言葉になっています。
「知識は言葉として伝えられるが、知恵は言葉にはできない。。。」
深い言葉だと思います。。
人生の中で、経験を積んでいくことやその中で気付くことでしか得られないもの。
その上、自分自身で感じ、気づくことでしか身につけることのできないもの。
日々過ごしている人生という暮らしの、毎日の重さを感じます。
大切な事にも、当たり前の事にも、出来るだけいつでも、気づける自分でいたいと思います。